見通しについては敗北宣言

「市場は高原域にある」と判断してからはや2年近くが経ち、このありさま。まったく節穴という他はない。

先物に関しては運用資金をほぼ失ってもう長らく売買していない。

現物は配当利回り重視なので、結果オーライというだけ。

うーん、やはり市場の高原・谷底を見極めようなどとはおこがましい行為に過ぎなかったのだろうか。こうなってしまってはテクニカル指標も何の役にも立たない。まあバブルなのかもしれないけど、結局「いつ」が高みで「いつ」が底なのかがわからなければ、何をどう分析したところで投資家にとっては何の役にも立たない。

これからの展開から何か学ぶことがあれば良しとするしかないのだろう。2005年前後のハイテク・ITバブルしか経験していないので、その程度では圧倒的な経験不足ということなのだろう。

「市場との対話」は投資家の甘え

普通に考えてまともな頭ならわかるだろうけど、何で中銀や政府が投資家の利益のために動かなければならないのだろうか?彼らにそんな動機はみじんもない。

投資家が破産しようが何しようが、そんなことは知ったこっちゃないだろう。そうじゃなくて投資してるとかしてないとか関係なく国民を全般的に保護するため、国内の経済を安定させ回すために施策するのであって。その上で、株式市場の不安定が実体経済に影響を及ぼす可能性がある場合には下支えするということだ。

別に投資家とか市場と対話してるわけじゃない。

私見だけど米国も日本も今の市場の水準は高すぎる。実体経済が良いわけではなく、リーマン以降の世界的金融緩和の引き締めができないままずるずる来てしまっただけ。特に米国はリーマン後2期で共和党政権に代わってしまい、不必要に緩和が放置された。このままだとそのうち本物のバブルが発生してリーマンの二の舞になる可能性がある。

結局民主党政権に戻らないと引き締めできなかったわけだ。本当に恐ろしい。あれほど愚かなハードランディングだったリーマンショックから何も学んでいないというわけだ。あとは言わずもがな。

日本は財政構造的に引き締めできなくなっちゃってるから仕方ない。その代わり少子化のマイナス影響やイノベーションが起こりにくい社会構造等、実体経済に拡大の余地がなさ過ぎて、バブルが発生する材料がないからあまり引き締めを考える必要がない、というメリット(?)がある。

今回突然少し引き締め姿勢を見せたけど、おそらく為替が急に行き過ぎて米欧中の経済に影響を与え過ぎないように調整しただけで、これからも円安が進んでいく傾向は変わらないと思う。日本の実体経済は沈み、通貨が弱くなる。物価が上がって購買力は落ちていく。昔のように日本人が海外に出稼ぎに行く時代が来るかもしれない。ただ貧しくなることで「日本買い」を誘えるという希望はあると思う。

平和で小金持ちのまま豊かさが維持・拡大されるとか、そんな都合のいいことは起こらない。米国だって厳しい貧富の差とか世界一強大な軍隊の維持と運用とか、犠牲を払って今の地位を築いているわけだ。減税論者はよく考えた方がいい。

まあ「これから中銀の引き締め・巻き戻しが始まる」という見通しを立ててからすでに4年近く経ってるし、その間にコロナ禍もあったりしたから、あまりパフォーマンスに貢献してないけど。

ただ世に散見される「配当利回りはけっこう高いし日本株はまだ割安」という銘柄選別主義者たちとは真っ向から意見が分かれていることには違いない。

 

落ちてきた

落ちてこない、と書いたのが7月1日。もうどんだけ引っ張るんだよという感じ。これが軟着陸というやつなのかもしれないけど。

しかし日銀引き締めは驚いた。このぐらいは大丈夫という自信もあるのだろうが、FRBとかECBとの連携もあるんだろうね。警告というか、そろそろ火遊びやめろよ、と。

今日はプライム売買代金4兆円超えたので、まずは節目なのかな。

投機

投機は「短期的な価格変動の目論見から、利益を得ようとする行為。」だそうな。そうすると指数先物というのは、投機のためだけに存在しているといえる。

現物のヘッジとかいうけど、長期的な投資をしているのなら指数先物のヘッジなんていらないだろ。限月3か月なんだから、指数先物を利用していることそのものが短期売買で利益を得ようとしていることを意味している。

なら「長期的」な投資は生産的かというと、投資だって「利益を得ようとする行為」には変わりはない。手法が違うだけで目的は同じ。寄付や慈善事業とはわけが違う。つまりは金融というわけだ。結果として産業育成に金が回ることがあるのかもしれないけれど。

実戦的には、自分がどのスパンで利益を得ようとしているのかをはっきり理解して戦術を選択してくことがとても重要。でないと自分の武器が役に立つのか立たないのかの判断すら難しい。

そこまで決めていても自分の武器・戦術が有効なのかどうかの検証が常に必要だし、しかもある程度的を射ていないとならない。でないとお金が減るという結果となって現れるだけだ。

やっぱ難しいもんだね。

ひとついえるのは継続的な観察、計測、測量はとても重要。