上昇トレンド

6月末から7月頭の波を見て、短い日柄で急落してそこで下げ止まっていた。
もし、3月からの波が上昇トレンドを描いているのではないか、という視点があったなら、7月頭の急落場面でド転買いができたはずだ。


トレンドの見方についても、確定的でない、柔軟な視点の持ち方が、利益の出るポジション取りに役立つ可能性がある。
特にトレンドが読みづらい時機には十分頭に入れて臨むべき。


波が超短期で形成される場合、その逆のトレンドが背後に隠れていないか、想定してみるべき、ということだ。
長短に関わらず、波の天底がある程度観測できるのであれば。
波が通常の周期である場合なら、トレンドは安定しているが、2007年ごろからしばしば、極超短期の波が現れることがあった。
次回は注意して観察すること。


もしここで下落の波が来て、その下落のレベルが抵抗線を割り込んだら、上昇トレンドが終焉した可能性がある。
そうでなく、また極超短期の波を形成して、ある一定のラインで下げ止まったら、上昇トレンドが継続している可能性の方が高い。


繰り返すが、測量の重要性。
測量は維持率ベースではなく、期間ベース。短期間のうちに、想定した値動き、その他指標の動きがあった場合、即損切り撤退する(想定していた動きと違う、ということは、必然的に損失が出ているはず)。
これを一定期間おいて繰り返し、波の方向性を測量することで、大きな損失を避ける。


もともと波の動きは、大きなところしか見ていないので、大枠ではそれほど見誤ることはないと考える。
しかし2008年7月以降のような事態をどう察知して、損失を最低限に抑えるか。
その解は測量という考え方なのではないだろうか。


ここで言っている測量というのは、つまりポジショニング技法のことである。
建て玉法のことを言っている。
が、玉を建てるということは、予測と不可分なわけだ。
そして予測は、それが正しいかどうかの不断の検証によって、確からしさを増したり、減じたりする。その結果、ポジショニングという行動に影響を及ぼすわけだ。


もとい。
測量について言うと、特に何かポジショニングの特殊な技法を使っているわけではない。
予測して、予測の確からしさがある程度の水準に達すると、その予測にしたがって実際に玉を建てる、という行動に移る。
銘柄選びはある程度行うにしても、この辺はかなりぞんざいに行われる。
その後。予測の確からしさの不断の確認、ということ。


波がどのように動くのか。
つまり、どういった指標変化を伴いながら進行していくのか。
そしてどうなったら、波が極限まで進んで逆方向に転換する、と言えるのか。
それはある程度のパターンを読み取っていて、そのパターンのバリエーションとして現実の波が動く、という想定というか、空想というか、ファンタジーによって、相場の行動を取っている。
まあ、それがテクニカリストということなのかもしれない。


だから、波が見えたと思ったところで、その波が行きつくまでに許容されうる指標の変化の範囲というものがあるはずだ。これってモデルっていうこと?
いずれにしても、今までは波を予測した時点で、その予測は大きなところしか見ていないのだから100%正しい、という前提でポジションを取ってきた。
それが間違いで、常に指標変化の許容範囲内で推移しているかどうかのチェックを行い続ける、そして許容範囲をはずれたら損切り、波の極限の兆候が見えたら利益確定する。


許容範囲のチェックの仕方、が測量ということだ。
だから建て玉法というとそれは違う。


特に波の発生初期や、転換期には読み誤りやすいため、測量という考え方が重要。
まあ単にこれって、短期に訂正可能なポジション取りというだけに過ぎないのだが。
なんでもない話だ。
当たり前すぎてあほらしいくらいだ。


しかしその当たり前のことが、2008年にできていなかった。
波の天底サインを読めば、それに基づいたポジション取りをして、後は放っておけばよい、という考え方だった。
そうではなく、ポジション取りの初期には、測量を厳密に行う。
そしてある程度日柄が経ったところで、想定した指標変化の枠を超えた動きが見られた場合には、警戒のポジション解消を行うことも非常に重要なことだった。


当たり前だ。
指標変化の異常とは。


為替が逆に動く。
商品が逆に動く。
騰落レシオが想定した方向になかなか進まない。
天底と見た時点の騰落レシオが曖昧。
何らかのファンダメンタルズの兆候がある。
今までと違うパターンの需給が見られる。
想定した波の方向と、実際の需給の動きが一致しない。
指標の相関が逆転する。
これらが複数見られる。