企業業績と株価の連動について

問題をもっと単純に定義するなら、連動するのかしないのか、ということではなく、『業績予想によって利益が得られるのか?』ということである。
個人的には、ここには二重苦があると考えている。

  1. 上場企業で働いていたことがあるが、当の企業でさえ、当期内の利益がどうなるか予測を立てるのは非常に難しい(こうすれば利益が出る、とわかっているなら、すべての企業が毎期黒字にできる)。ましてや、その企業からの二次情報しかない部外者が、どうやってその企業の利益予測ができるのか?
  2. 仮に企業業績を正確に予測できる方法があったとしても、そのとおりに株価が動かない。「織り込み済み」という現象が起きる。皆がある程度正確に予測ができたり情報が事前に得られるのなら、すでに株は買われたり売られたりしてしまっている。だから皆が業績情報を知らないうちに「買い・売り」して仕込んでおく必要がある。


つまり市場参加者の大多数よりも「(1) 正確に」「(2) 早く」企業の業績を把握して売買しなければならない。
しかし当の企業でさえ利益の予測ができていないのに、どうやって部外者の投資家がそんな離れ業を行うことができるのか?
自分にはそんなことは極めて不可能のように思えるし、だからそういう議論はまったく滑稽に見える。XXはこういう事業を始めたから、業界勢力図がこうだから、出店を増やしている・減らしているからどうのこうの。。。と。


また、個人的には上記の二重苦が、インサイダー取引がなくならない原因だと考えている。業績予測とそれに則った売買が限りなく不可能に近いから、その観点から儲けようとすると、ずるい人間はインサイダーに走るわけだ(インサイダー以外に儲ける方法がない、というべきか)。


一方で、インカムゲインに狙いを絞るのであれば、配当利益率とPBRである程度、その株式が割高なのかどうかは判断できると考えている。その他には業績推移や業種(安定した商売でないとインカムゲイン目的の保有に向かない)などを考慮すればよい。